暑い季節になりました。この時期になると、さっぱりしたものや冷たいものを食べることが多くなります。しかし現代人の生活スタイルを考えると、厳しい暑さの中であまりそのようなものを食べない方がよいと思っています。

というのも、建物の中で仕事をしている人は、ほぼクーラーに入りっぱなしなので、身体は冷えています。今の夏ではクーラーを使わなければ仕事にならないので普通の事でしょう。当院もクーラーを使わないと仕事にならないので使っています。これで仕事を終え、帰宅してからクーラーを使わなければ良いのですが、クーラーの涼しさになれた身体は暑さに弱く、帰宅後からクーラーの中に入り、睡眠を取るためクーラーをつけて寝る人が多いと思います。

さらに熱中症にならないため「水分取りましょう」の合唱が身体を冷やすことになります。熱中症を防ぐために水分取ることがよいことのようにいわれていますが、過剰摂取になっている場合が多く、胃腸系を痛めます。また、水がたくさん入ったやかんが沸騰に時間がかかるのと同じ理屈で、水分が多い身体は温まりにくいのです。特に長時間のクーラーで身体の奥まで冷えているので、水分の多い身体はなかなか温まりません。さらに水分を取る場合、冷たいものを取ることが多く、さらに身体を冷やしてしまっています。

このような状態になっている人が多いので、冷たいものを食べるのはお勧めしないのです。逆に身体を温めるものを、食べるのが良いと思います。生姜、ニンニク、トウガラシ、コショウなどのスパイス類が身体を温め、食欲も増進させるのでお勧めです。ただし、使いすぎると胃腸を痛めることがあるので、人によっては注意が必要です。食べた翌日に下痢をするようなら、スパイス類の使いすぎの可能性があります。

夏になっても食欲は落ちることなく、とんかつや脂っこいものを好んで食べるような人や、クーラーに入らない生活をしている人は、温めるものにこだわる必要はありません。食欲が落ちるようなら、冷たいものを控えればよいです。

田中医院