漢方薬治療の良いところ
先日、胃腸の調子が悪いという人に六君子湯などの漢方薬を処方しました。次の診察の時「胃腸の調子は良くなり、しかも、気分の落ち込み、うつ気味だったのも改善して、今までになく元気になりました」と言われました。さらに「うつ病の薬を飲んでもこんなに効いたことはありませんでした」ともいわれました。現代医学的に言うと、良い意味での副作用が起きたということです。漢方治療をやっていると、胃腸などを治療して胃腸とは関係のない別の症状が改善することはよくあることで、良い意味での副作用というほどのことではなく、当然のことと思います。
ただ不思議に思うことは、現代薬で胃腸の調子を整えても、うつ状態が改善するということはまずないことです(うつ状態に効く作用を持つ胃薬もありますが、これは例外です)。なぜ同じ胃腸を改善する治療をしても、漢方薬ではうつ状態は改善するのに現代薬では改善しないのか不思議に思います。
これらの理由はいくつか考えられます。1つは、漢方薬には胃だけではなく、神経系に効く物質が入っているというものです。現代薬は成分が通常単一なので、胃に効く以外の成分はないわけですが、漢方薬は生薬1つに数百の成分が入っているといわれるので、その中に、神経系に効く成分があっても不思議はないというものです(生薬の成分は数が多すぎて、作用すべてはわかっていません)。2つ目は治療するポイントが違うというものです。現代薬は、ターゲットとなる臓器、胃ならば胃を狙って薬が処方されますが、漢方薬は身体全体を診て、その歪をさがし、その歪を正す薬なので、ターゲットとなるのは、その歪の部分で、単一の臓器、この場合胃を狙って治療をしているのではないのです。漢方薬でその歪が治れば、当然胃はよくなりますが、歪で不調となっていた他の部分も当然改善するというわけです。ただし、漢方で「狙っている部位」というのは、解剖学的にはどこだかわかりませんし、胃についても、どうも我々が思っている胃とは違う「胃」に薬が作用している気がしています。
その他にも理由はありそうですが、前の2つについても自分で書いていて、本当かな?と思うようなところがあり、よくわからないというのが現状と思います。
ただ、この狙った症状以外も改善するというのが漢方薬の治療の一番の特徴でもあり、現代治療よりも優れている点だと思っています。副作用が少ないとか、未病に対応できるとかいろいろ言われますが、この狙った症状以外も改善するということに比べれば、たいしたことではなく、現代医学よりはるかに優れた点であると思っています。
なんと!昨年暮れにブログをアップデートするのを忘れました。慌てて今やっています。










