渇く前に水分を取る、本気？
「水分を取りましょう」の合唱が世間では続いています。水分は控えましょう、といっている私には困ったものです。
「水分取りましょう」ということを、この暑さでは否定はしませんが、「のどが渇く前に水分を取りましょう」というのはやめて欲しいです。炎天下で運動したり、働いている方に「渇く前に水分を取りましょう」というのはわかりますが、クーラーの中にいる人間が渇く前に水分を取るのはどうかと思います。クーラーの中にいて熱中症の心配はないですから、水分は渇かなければとる必要はありません。渇いてもいないのに水分を取ると、身体は水浸しです。特に胃腸系は水浸しに弱いので、食欲が落ちたり、お腹が張ったり、下痢などの症状が出ます。消耗の激しい夏にもかかわらず食欲低下から栄養が取れなくなり、身体が弱り、さらに下痢をして夏バテです。弱った身体は熱中症になりやすく、少々の炎天下を歩いて熱中症です。これでは何のための水分をとるのかと思います。
「渇く前に水分を取る」というならば、「炎天下などで運動したり働くとき」という条件をつけて言うべきと思います。クーラーの中にいるときは、のどが渇いた時にのみ水分を取ればよいのです。できれば冷たいものより、お湯がよいのですが。（脱水気味になっても喉の渇きを感じないような高齢者はこの限りではありません）
蛇足ですが、汗を急激に多量にかいたときは、水分とともに塩分を少し補うとよいのですが、少しずつ汗をかくような場合は水だけが良く、塩分は取るべきではありません。なぜかというと、塩分は身体にとって大切なものなので、再吸収されてできるだけ体の外に出さないようになっています。急激に汗をかいた場合は再吸収が間に合わないので、塩分は体外に出てしまうので補充の必要があるわけです。しかし、少しずつ汗をかいた場合、塩分は再吸収されるので、塩分を補う必要はないのです。クーラーの中にいる人が水分を補う目的でスポーツドリンクなど塩分の入ったものを飲むのは健康を害します。クーラーの中ではお湯（お茶ではありません）がお勧めです。
