渇く前に水分を取る?
今年は暑い暑い夏です。こうなると、「熱中症に気をつけましょう」「こまめに水分を取りましょう」「水分はのどが渇く前に取りましょう」などの合唱がイヤでも聞こえてきます。水分をやたらと取ることは良いことではないという漢方の考えに反するので、心穏やかではありません。水分控えましょうと何回も書いていますが、ストレスがたまってきたので、また書きます。
「こまめに水分を取りましょう」というのは、夏なのであまり文句を言わないでおきますが、「のどが渇く前に水分を取りましょう」というのは許せません。「のどが渇く前に水分を取りましょう」というのは本当に良いと思って言っているのでしょうか?炎天下で仕事やスポーツなどする人は熱中症の危険にさらされますから、渇く前に水分を取るというのはわかります。また、高齢者などで「渇く」という感覚が鈍ってしまった方や子供なども脱水に気がつきにくいので、渇く前に水分を取るというのも、まあわかります。私が想像するに、「渇く前に水分を取りましょう」というのは、こういう人たちを意識して最初は言われていたのではないかと思います。これであれば、イラつくこともありませんし、文句をつける気もあまりありません。ところが世間一般で聞くのは、こうではなく、すべての人に対して「熱中症にならないように渇く前に水分を取りましょう」と言っているのです。クーラーの中で仕事や生活している人が、渇く前に水分をとる必要があるのでしょうか?クーラーの中で適切な温度でいて、熱中症になる危険がるのでしょうか?必要もないのに水分を取りすぎれば、暑さで弱っている胃腸をさらに弱め、食欲を落とし、栄養が取れなくなってしまいます。結果として、夏バテとなり、熱中症になりやすくなります。これでは、逆に熱中症になりやすくなるために、水分をとるのではないでしょうか。渇く前に水分を取りましょうというのは清涼飲料水を売っているメーカーの陰謀ではないかと勘ぐってしまいます。
適切な気温でクーラーの中で生活している人は渇く前に水分を取るべきではありません。渇いたら取りましょう。クーラーの中であれば、冷たくないものを。白湯がお勧めです。
蛇足ですが、2年ほど前も同じようなことを書いています。また書いてしまいました。