牧野富太郎
NHKの朝の連続テレビドラマ、「らんまん」が終わりました。あまりテレビは見ないほうなのですが、植物学で世界的に有名な「牧野富太郎」の話なので、つい気になり見てしまいました。漢方を学んでいると、植物とは密接になるので、その道の大家の話とあれば、見ないわけにはいきません。
さらに昭和の漢方の大家、大塚敬節先生も牧野富太郎先生とは親交があったようで、大塚敬節先生の随筆を読んでいると牧野富太郎が出てきます。そうしたら、ますます見ないわけには行かなかったのです。
テレビの中ではあまり触れてなかったですが、大塚先生の随筆に、土佐には「飯は腹の詰め」という言葉があるらしく(お腹に隙間が合ったら、飯を詰め込むというような意味らしいです)、これを実践してよく食べていたそうです。高齢になっても一日に4食でも食べることがあり、しかも牛肉が好物で、よく食べていたそうです。とても老人の食事とは言えず、食養生の人が聞いたら、怒り出しそうな話で、食養生の観点から言うと、とてもほめられたものではなかったのです。しかし牧野富太郎は94歳まで長生きされているのだから、わからないものです。
また、漢方薬も含め、薬が嫌いだったそうです。植物が好きなら漢方薬は好きであって欲しかったです。「薬嫌い」という人は、たいてい丈夫な人が多いです。テレビでは弱かったようになっていますが、実際は大食いで丈夫な人だったようです。高齢になっても野山を植物採集のため歩き回っていたのですから、丈夫のはずです。
結局これを見て、丈夫な人はどうやっても丈夫で、食養生など関係ないということを知りました。漢方に何か役に立つ話はないかと思ってみていたのですが、なかったです。
本当は以下のような話を書くつもりでした。「夏バテはどうですか?と聞くと大丈夫ですと答える人でも診察すると、夏の疲れを感じる人が多いです。あつい暑い夏が続いたためと思います。そこで、暑さが落ち着いてきたので、体調を整えるのが大事です。睡眠を十分取りましょう。今のうちに夏の疲れをとるべきです。」という話をするつもりでしたが、なぜか牧野富太郎になってしまいました。