「辛夷」この字読めますか?「コブシ」と読みますが、もくれん科の花のこぶしのことです。漢方では、この花のつぼみを乾燥させたものを生薬として使います。ただ、生薬としての名前は「辛夷、コブシ」ではなく、「辛夷、シンイ」と音読みで読みます。これが花粉症のとき大変役には大事な生薬なのです。

花粉症の症状として、鼻水、鼻づまり、クシャミなどがありますが、辛夷は鼻づまりによく効きます。現代医学では鼻づまりに効く良い薬はあまりありません。一般的に処方されるアレグラなどの抗アレルギー薬は、鼻水を止めるのには効くのですが、効能に「鼻づまり」とあっても、実際に使ってみると、鼻づまりにはあまり効果はありません。薬局で売られている薬も同じです。点鼻薬に血管収縮剤の入ったものがあります。これは鼻づまりによく効くのですが、副作用を起こしやすい問題があります。連用していると薬はだんだん効かなくなり、薬を使わないと鼻がつまるようになってしまうという副作用を起こします。こういう副作用が起きてしまうと、治療は面倒なので、使い方にかなり注意が必要な薬です。市販もされているので、連用による副作用に要注意です。他にも薬はあるのですが、鼻づまりにあまり効果を実感できないと思います。それに反し、辛夷は鼻づまりによく効きますし、連用による副作用もありません。一般に処方される漢方薬で「辛夷」が入っているものは、葛根湯加辛夷川芎と辛夷清肺湯という処方薬があり、鼻づまりによく効きます。

エキス顆粒では問題ないのですが、煎じ薬だと欠点があります。煎じると、かなりにおいがします。以前、患者さんが煎じ薬で希望されたので、葛根湯加辛夷川芎の煎じを処方したことがあります。この患者さん、煎じ薬は初めてということもあって、そのにおいに驚いてしまいました。特に奥さんは、家中に充満した辛夷のにおいで気分が悪くなってしまい、大変だったと患者さんにいわれたことがあります。この患者さんの場合は少し過敏だったと思いますが、結構においがします。エキス顆粒の薬でも、辛夷独特のにおいがしています。悪臭ではありません。しかし良い花の香りも濃度を高めて長時間そのにおいをかいでいたら、おそらく気分が悪くなるのではないでしょうか。そんな感じです。

花粉症などで、鼻づまりで困るときは漢方薬をお勧めします

田中医院