非常事態宣言がやっと解除されましたが、おそらく近いうちに第2波がやってくるので、油断はできません。こういう環境なので、コロナのことで頭が占められてしまい、気分は漢方になりません。コロナで気になっていることを書きます。

PCR検査について誤解されているのが気になっています。一番理解していただきたいのが、PCR検査は新型コロナに感染しているかどうか100%調べられる検査ではないのです。感度は40-80%程度といわれています。つまり、検査希望する人全員に検査をすれば、20-60%の人が実際は陽性(罹患している)にもかかわらず「陰性」という結果がでます。これはかなりの人数です。こういう人は、自分はコロナに罹患していないと思い、感染を広げる人になってしまいます。しかし、疑いがある人などに限って検査をすれば、陰性の結果がでても、コロナの感染の可能性は否定できないと説明され、本人も自覚があるので慎重に行動し、感染の拡大はあまり起きせん。検査というものは一般的にこういうもので、診断は臨床症状など考慮し、総合的に判断するものなのです。検査は絶対のものではありません。希望者全員に検査を行うというのは、お金(15000円くらいだそうです)の無駄です。

コロナの抗体検査も注意が必要です。抗体検査はコロナに感染したことがあるかどうかを調べる検査で、現在感染しているかどうかを調べる検査ではありません。また、何種類かのコロナの抗体検査がありますが、精度がまだまだというものが多く、マスコミなどで示される結果の解釈を鵜呑みにしないほうが賢明です。

あと気になるのが、フェイスシールドです。暑くなるとマスクを止めて、フェイスシールドをする人が出てくるのではないかと心配しています。フェイスシールドは顔との間に隙間があるので、飛沫感染は防げません。他人が飛ばした飛沫も、また自分からでる飛沫も防ぎませんので、注意が必要です。フェイスシールドは直接飛んで来るものをブロックし、眼などを守るだけです。つまり飛沫感染を防ぐにはマスクは必要です。

蛇足ですが、個人的にはマスクも大事ですが、手洗いが重要と思っています。

田中医院