「最近眠りが浅く、寝てもすぐ目を覚ましてしまいます」とある患者さんにいわれました。この患者さんの生活環境に大きな変化は無く、ストレスを抱えている方でもないので、眼の使いすぎではないかと思いました。そこで、「最近目を使うことが多くありませんか」と尋ねました。すると「最近、映画をよく見ます」との答えで。やはり眼の使いすぎだったようです。そこでいつものように「眼を使いすぎると眠れなくなります云々」を説明しました。

この方は昔映画の評論関係の仕事をしていたらしく、目を使いすぎると眠れなくなるという話をすると、映画によって眼の疲れが違うという話しを聞くことができ、こちらの勉強になりました。

カラーではなく白黒の無声映画(昔のやつです)は目があまり疲れなかったそうです。若かったというのを割り引いても、一日に何本も見て大丈夫だったそうです。次に疲れないのがやはり昔の映画のトーキー(有声)の白黒映画だそうです。映画がカラーになってから、眼が疲れやすくなったと感じたそうです。しかしアナログのフィルムの映画はまだ良かったそうですが、デジタルになり、さらに音響も良くなるとともに眼の疲れがひどくなってきたそうです。昔の古い白黒やカラーのアナログのフィルムの映画が、デジタル版に変換されていますが、これも眼に良くないようで、昔のままのアナログ版のほうがデジタル版より眼が疲れないそうです。あの有名な「風とともに去りぬ」は3原色を重ね合わせて作られたカラー映画だそうで、もとの映像はとっても美しかったそうですが、これがデジタルリマスター版になって目は疲れるし、映像の美しさもよくなくなったと嘆いておられました。テレビも昔のブラウン管で白黒画面の場合はさほど眼は疲れませんでしたが、ブラウン管でカラー、液晶でカラーの順に眼が疲れるようになったそうです。

この話しを聞いて、目を疲れさせる方向に時代が進んでいることを感じました。白黒からカラーになれば、また音響も良くなれば、発せられる情報量は多くなり、脳も処理する情報の量が増えるので疲れるのではないかと思います。3Dの映画などはどうか聞きませんでしたが、「最悪です」という返事が返ってくる気がします。リアルな映像や音を求めるのは時代の流れでしょうが、眼や脳には悪い方向に進んでいる気がします。昔はこれほど目が疲れるという話は聞きませんでした。

この時期は体が疲れやすいので、普段より目を休ませましょう。

田中医院