健康食品、効果は?2
健康食品の話の続き書きます。漢方とあまり関係ない話なので、書くのに多少気が引けますが、国の考えることはこんなもんかとあきれてしまったので書きます。と言っても、前回同様、『「健康食品」ウソ・ホント』という本の受け売りです。
1991年に「特定機能食品」(トクホ)の制度が始まったそうですが、2015年から「機能性表示食品」という新たな枠が設けられました。これはトクホと違い、「企業の責任において科学的根拠のもとに機能性を表示できる」ものです。要するに定められた書類が形式的に整っていれば審査されることなく、「機能性表示食品」と認められる、というとんでもないものです。簡単に機能を表示して販売できるようになったということです。なぜこんな制度ができたのか? 私は、国が医薬品の代わりに健康食品を広め、医療費を減らそうという考えでできたものと思っていました。ところがそうではなく、これは「国富の拡大」という観点からできたようです。つまり、健康食品を簡単に許可して売りやすくし、国民の健康ではなく、経済拡大をしようということです。国民の健康より、経済のほうが大事ということでしょう。実際、健康食品の市場は拡大しましたが、品質管理は当然、医薬品以下のレベルです。品質管理というのはお金がかかるので、経済拡大を目的とする「機能性表示食品」では、ある程度の手抜きは予想されることです。かなり品質管理の厳しい医薬薬品でも、大事には至りませんが、時々問題が起きています。そう考えると、経済優先の「機能性表示食品」で何かトラブルが起きるのは時間の問題に思えます。実際、「紅麹」は機能性表示食品で、品質管理の悪さから、皆さんご存じのように、大きなトラブルが起きてしまいました。品質管理というのは、(実際には省くべきではないのですが)無駄に思えることが多く、省かれやすいものです。つまり経済優先とは相いれないものなので、利益優先の考えはトラブルのもとなのです。
健康食品が、このレベルのままであるならば、お勧めできるものではないということになります。