睡眠について
昔に比べ睡眠時間が少ない人が増えています。実際、厚生労働省の統計でも、睡眠時間は短くなってきています。少ない人では5時間以下、6時間くらいの人はざらにというか、普通になっている気がします。私は7時間以上寝ないと頭が働かないので、7時間眠ったら寝すぎという人が多いのにも驚きます。
睡眠時間が短くなるのは時代の流れだろうと思っていたのですが、どうも違う気がしてきました。睡眠時間が短い人はパソコンや携帯電話、ゲームなどの使用時間が長く、眼を酷使している人が多いからです。眼を酷使すると、睡眠の質が下がる上に、寝つきが悪くなる、疲れていてもなかなか眠れない、朝早く目が覚めてしまいそれ以上眠れないなどの症状が出ます。つまり眼を酷使することことで眠れなくなり、寝ようとしても眠れないので睡眠時間が短くなっているのではないか?と考えるようになりました。眼の使いすぎで寝ていることができない、眠れないのなら起きている方がよい、眠れないのだから睡眠時間は足りているということになり、寝る時間が少なくなっているように思います。やりたいことが多くて睡眠時間を削っているというより、眠れないので睡眠時間を短くしてしまっているということです。
しかし、睡眠時間が少なくてよい身体になったわけではないので、これは健康に良いわけがありません。もしかすると睡眠時間が少ないので体調不良になり、田中医院に来るのか?と思えるほど眼を酷使している人が医院に来ます。アメリカの研究ですが睡眠時間は7~9時間の人が健康的で病気が少ないそうです。個人の体質を重視する漢方ではその人その人によって適正な睡眠時間は違うと考えるので、時間にはあまりこだわりませんが、現在の睡眠時間と質の悪さは異常に思えます。
朝起きるのがつらい、疲れているのに眠れない、頭が重い、眼の奥が痛い、疲れやすい、眠いのに寝つきが悪い、肩こりがひどいなどの症状がある場合は、眼の使いすぎを疑ってみるべきです。睡眠は大事です。質の良い睡眠とある程度の時間を取らなければ、1日の疲労が回復するわけがありません。そうでなければ疲労が溜っていき、病気になるだけです。パソコンやスマホ、テレビ、本などを止めて眼を休ませ、質の良い睡眠とある程度の睡眠時間を取りましょう。