プラシーボ効果
プラシーボ効果ってご存知ですか?薬効のない偽薬(たとえば小麦粉)の投薬によって、(心理的効果で)ある病気が良くなることです。たとえば頭痛が起きている人に「この頭痛薬よく効きますよ」といって偽薬を飲ませ、頭痛が改善すればプラシーボ効果があったというわけです。
実はこのプラシーボ効果は、日常生活でもしばしば利用されています。飲み薬ではありませんが、小さい子が怪我したときなどに患部に手をやり、「痛いの痛いの飛んでいけー」といって子供を泣き止ませた経験をお持ちの人は多いと思います。傷は治らなくても、心理効果で痛みが止まってしまうのです。子供なら心理効果で治るかもしれないが、大人の自分ではこのようにはいかない、とほとんどの人が思っていると思います。しかしプラシーボ効果というのは考える以上に強いものなのです。病気によって違いますが、偽薬でどのくらいの人に改善が見られるかというと、頭痛などでは30-40%といわれます。頭痛を起こしている人の3人に1人は小麦粉を処方すればよくなるということです。
いろいろな「あやしい」「薬」が売られていますが、そういう「薬」でも当然プラシーボ効果は起きますから、必ずその薬が効いたという人はいます。本当に薬効があって効くならよいですが、プラシーボ効果で改善しているだけというのは意外に多いのです。これでは困るので、科学的な検証で本当に効果があるかどうか確かめられ、その検証をクリアーして始めて本当の薬と認められるのです。
ここでその怪しい薬に漢方薬を当てはめると、漢方薬を疑いの目で見ている人からすれば、やはり怪しい薬になります。というのも、まだ部分的にしか科学的に検証されていないからです。このため、漢方薬は効かないものだという人はいますし、厚生省によって保険薬からはずされそうになるのです・・・
もう少し違うことを書くはずだったのですが、話が違う方向にずれてしまいました。長くなってしまいますので、次回にこの続きを書きます。